14歳のChristian RacとBraylin Byrdは約5つの事業に失敗し、デイトレで6,000ドルを失った
Christian RacとBraylin Byrdが最初からアプリ開発をしていたわけではない。
二人は高校時代の陸上チームメイトだった。
COVIDによるロックダウンが始まったころ、ChristianとBraylinは14〜15歳。
学校生活も変わり、家にいる時間が増えた。
そして二人は、
「何かビジネスをやってみよう」
と考えた。
最初に手を出したのは、アプリではなかった。
ドロップシッピング。
Shopifyでの商品販売。
デイトレード。
散髪。
学校でのお菓子販売。
高圧洗浄。
アパレルブランド。
思いつくものを次々と試した。
だが、ほとんどうまくいかなかった。
Shopifyでは何店舗も作ったが売れない。
商品の選定でもお金を失った。
デイトレードでは、
*約6,000ドル*
を失った。
10代の二人にとっては小さくない金額だった。
ただ、後から振り返ると、失敗した事業には共通点があった。
二人は、
*「何が売れそうか」を自分たちで予想していた。*
誰かから欲しいと言われたわけではない。
ドロップシッピングが流行っているからやる。
この商品なら売れそうだから仕入れる。
デイトレードなら稼げそうだからやる。
毎回、
「たぶん需要がある」
から始めていた。
結果として、ほとんど残らなかった。
ところが、ビジネスとは別の場所で一つだけ数字が伸び続けていた。
陸上だった。
Christian Racの4.25万人とBraylin Byrdの11.2万人が3AK Track以前に集まっていた
ChristianとBraylinはビジネスに失敗する一方で、自分たちの陸上生活をSNSへ投稿していた。
練習。
試合。
走っている映像。
タイムの変化。
トレーニング方法。
特にBraylinは、100メートルのタイムを1年間で11.4秒から10.2秒まで縮めた。
実際の結果がある。
だから、動画にも説得力があった。
BraylinのInstagramは、
*11.2万人以上。*
Christianは、
*4.25万人以上。*
二人を合わせると、
*15万人を超える陸上競技のフォロワー*
が集まっていた。
面白いのは、この時点ではまだ3AK Trackが存在していなかったことだ。
商品より先に客候補がいた。
そしてフォロワーが増えると、二人のDMに同じ質問が届くようになった。
「どんなトレーニングをしている?」
「どうやったら速くなれる?」
「自分をコーチしてくれない?」
毎日のように、似た質問が届いた。
以前の二人なら、
「何を作ったら売れるだろう」
と考えていた。
今回は違った。
*作ってほしいものを、客のほうから伝えてきていた。*
さらに、既存のフィットネスアプリ会社から二人へスポンサーの依頼まで来るようになった。
そこで疑問が生まれた。
他社のアプリを宣伝して少額の広告料をもらうくらいなら、
自分たちで作ればいいのではないか。
ここから3AK Trackが始まる。
19歳と20歳のChristian RacとBraylin Byrdはコード経験0で3AK Trackを作り始めた
問題が一つあった。
二人とも、
*アプリを開発した経験がなかった。*
ChristianはTexas Southern。
BraylinはTexas Tech。
どちらもDivision Iで競技する大学生アスリートだった。
授業がある。
課題がある。
筋力トレーニングがある。
陸上の練習もある。
しかも二人の大学は約8時間離れていた。
今からプログラミングを何年も勉強してからアプリを作る、という状況ではなかった。
そこで二人が使ったのが「Rork」だった。
二人は1日8〜10時間ほどRorkを触り、使い方を覚えていった。
問題が起きればChatGPTも使った。
処理がうまく動かない。
バグが出る。
必要な機能をどう組み立てればいいか分からない。
そのたびに調べて修正する。
こうして作ったのが、
*3AK Track*
だった。
コードを一行ずつ書いて開発したわけではない。
それでも完成したものは、単なる練習記録アプリではなかった。
走っている動画をアップロードしてフォームを分析する。
目標に応じたトレーニングを作る。
食事やカロリーを記録する。
毎日のチャレンジを用意する。
AIコーチへ質問する。
二人がDMで何度も聞かれていたことを、アプリの中へまとめていった。
2026年1月の3AK Trackは15万人のフォロワーから最初の30日で1万ドルを売った
3AK Trackは2026年1月に公開された。
普通なら、ここから集客が始まる。
アプリを作った。
広告を出す。
SNSアカウントを作る。
フォロワーを集める。
ダウンロードしてもらう。
ChristianとBraylinは順番が逆だった。
すでに15万人以上のフォロワーがいた。
しかも、その人たちは単なるフォロワーではない。
二人の陸上競技を何年も見ていた。
そして、
「どんな練習をしている?」
と質問していた人たちだった。
二人は広告らしい広告を作らなかった。
いつも通り、試合やトレーニングの動画を投稿する。
その中で、
「3AK MethodはApp Storeにある」
と伝える。
ある3AK関連のReelは、
*11.8万件以上の「いいね」*
を集めた。
最初の有料ユーザーも、InstagramのDMから生まれた。
そして公開から30日。
3AK Trackの売上は、
*1万ドル*
を超えた。
商品を作ってから客を探したのではない。
何年も客候補を集め、
その人たちが何度も聞いてきた質問を、
あとから商品にした。
10代前半で何度も失敗したときとは、順番が完全に逆になっていた。
3AK Trackは年59.99ドルを29.99ドルへ下げると購入転換率が約3倍になった
ただし、公開した瞬間からすべてが完璧だったわけではない。
問題の一つが価格だった。
最初の料金は、
月額9.99ドル。
または、
*年額59.99ドル。*
アプリとしては珍しくない価格に見える。
しかし二人は、実際のユーザーを見直した。
3AK Trackを欲しがっている中心層は、
高所得の社会人ではない。
15〜22歳ほどの高校生や大学生アスリートだった。
高校生にとって年間60ドルは、それなりの出費になる。
そこで二人は年額料金を、
*59.99ドルから29.99ドル*
へ下げた。
半額だ。
普通なら、
価格を半分にすれば一人あたりの売上も減る。
ところが結果は逆だった。
購入転換率が、
*約3倍*
になった。
一人から60ドルを取ることより、
30ドルなら払える高校生を増やすほうが大きな売上になった。
二人は、
「アプリならいくら取れるか」
ではなく、
「実際のユーザーはいくらなら払えるか」
に価格を合わせた。
3AK Trackは公開約2か月で直近28日1万7,460ドル・累計4.5万ドル超に達した
初月1万ドルで終わらなかった。
公開から約2か月。
3AK Trackは直近28日で、
*1万7,460ドル*
を売り上げるところまで伸びた。
2か月の累計売上は、
*4万5,000ドル超。*
当時の月次売上は1.7万〜1.9万ドル規模まで到達したと二人は説明している。
さらに3AKはアプリだけでなく、Shopifyでも陸上のトレーニングプログラムを販売していた。
こちらからも、
*1日100〜200ドル程度*
の売上が入っていた。
アプリを利用する人がトレーニング教材を知る。
教材を買った人がアプリを知る。
同じ「速く走りたい人」に対して、二つの商品を持っていた。
2026年9月の3AK Trackは月1.3万ドル前後の継続売上を維持した
3AK Trackは公開直後だけ一瞬売れたアプリでもなかった。
2026年9月末。
決済データと連携された公開情報では、3AK TrackのMRRは、
*約1万3,200ドル。*
年間換算すると、
約15万8,000ドルの継続売上ペースになる。
ピーク時に報告されていた1.7万〜1.9万ドルよりは低い。
だが、それ自体が重要でもある。
SNSで一度バズれば、一時的に大きな売上を作ることはある。
その後ユーザーが消えれば、事業としては続かない。
3AK Trackの場合は、公開から数か月後にも月1万ドルを超える継続売上が残っている。
つまり、
「ローンチで4.5万ドル売った」
だけの話ではなく、
*毎月課金するユーザーが残るアプリになった。*
20歳前後のChristian RacとBraylin Byrdは15万人を集めてから3AK Trackを作った
Christian RacとBraylin Byrdの話を、
「コードを書けなくてもAIでアプリを作れる」
だけで終わらせると、一番重要な部分を落としてしまう。
確かに二人はコード経験なしで3AK Trackを作った。
RorkやChatGPTのようなツールがなければ、開発の難易度はもっと高かったはずだ。
しかし、
Rorkを使ったから初月1万ドルになったわけではない。
二人は14〜15歳のころからビジネスを試していた。
Shopify。
ドロップシッピング。
デイトレード。
散髪。
高圧洗浄。
アパレル。
ほとんど失敗した。
その間に唯一積み上がったのが、
*陸上競技について発信していたSNSだった。*
Christianは4.25万人。
Braylinは11.2万人。
合計15万人以上。
しかもフォロワーから、
「トレーニングを教えてほしい」
「どうやったら速くなる?」
というDMが毎日届いていた。
そこまで来てから、二人はアプリを作った。
つまり3AK Trackで変わったのは、
開発方法だけではない。
10代前半の二人は、
*商品を先に作り、あとから客を探していた。*
3AK Trackでは、
*客を先に集め、その客が欲しがっている商品をあとから作った。*
14歳のころは、売れそうなものを予想していた。
20歳前後では、15万人の反応を見てから作った。
そして公開初月で1万ドル。
約2か月で直近28日1万7,460ドル。
数か月後にも月1万ドル以上が残った。
3AK Trackを作るために必要だったコードは、AIによってかなり減らせた。
しかし、
*「誰がこれを欲しがっているのか」を見つける部分だけは、AIに任せなかった。*
二人はそれを、何年も陸上を走り、発信し、15万人から届く反応を見ることで見つけていた。