16歳で、売上170万ドル
2020年。
アメリカ・ニュージャージー州に住む高校生Max Haydenは、まだ車の運転すらできない年齢だった。
それでも、その年に彼がインターネットで販売した商品の売上は、
170万ドル。
現在の感覚なら2億円を大きく超える規模だ。
しかも、彼が作った商品は一つもない。
売っていたのは、
家庭用プール。
屋外用ヒーター。
ダンベル。
バリカン。
ポケモンカード。
そしてPlayStation 5やXbox。
どこにでもある商品ばかりだった。
ただし、一つだけ共通点があった。
その瞬間、みんなが欲しがっているのに、店ではなかなか買えなかった。
Maxはそれを先に買う。
そしてAmazonなどで売る。
やっていることだけを見れば、昔から存在する「転売」だ。
それでも16歳の高校生が、1年間で170万ドルもの商品を動かした。
なぜ、そんなことができたのか。
彼の話を追っていくと、転売そのものより面白いものが見えてくる。
Maxが探していたのは商品ではなかった。
「次に足りなくなるもの」だった。
最初は、お菓子とハンドスピナーだった
Maxが突然16歳で商売を始めたわけではない。
もっと前から、小さな売買を繰り返していた。
中学生のころには、お菓子や当時流行していたハンドスピナーを友達に売っていた。
さらに遡ると、小学生のころからeBayで玩具などを売ることも試していたという。
もちろん、この時点で大きく稼いでいたわけではない。
その後もいろいろ試した。
中古iPhoneを買って直して売る。
Shopifyでドロップシッピングを試す。
本を売る。
スニーカーを転売する。
特にスニーカーでは、発売日に早起きして人気商品を確保し、価格が上がったところで売るという経験を積んでいった。
2019年ごろ、本格的にスニーカー転売を始めたときの資金は、
約300ドル。
最初から大きな倉庫があったわけでも、大量の在庫があったわけでもない。
300ドルで商品を買う。
売る。
その金で次の商品を買う。
また売る。
この繰り返しだった。
ところが2020年。
世界の状況が突然変わった。
「今年の夏、みんなは何を買う?」
新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々は家にいる時間が増えた。
旅行に行けない。
ジムに行けない。
美容院にも行きにくい。
レストランや店も閉まる。
ここでMaxが見ていたのは、
「今、何が売れているか」
だけではなかった。
生活がこう変わったら、次に何が欲しくなるか。
たとえば夏。
旅行に行けない。
家にいる。
でも暑い。
家族で何かしたい。
Maxは、
家庭用の地上設置型プールが売れると考えた。
実際、こうした商品は品薄になっていった。
そこで小売店などから仕入れ、オンラインで販売する。
次に秋が来る。
感染を避けながら人と会うなら、屋内より屋外の方がいい。
しかし寒くなる。
すると今度は、
屋外用のパティオヒーターが必要になる。
Maxはそこにも目をつけた。
ジムが閉まればダンベル。
理髪店に行けなければバリカン。
家で過ごす人が増えればゲーム。
人々の行動が変わるたびに、