The Journal

歴史Deep DivePreview — 仮公開データ

アレクサンドリア図書館は、本当に「燃えて」終わったのか

人類史上最大の知識が一夜で焼き尽くされた——この物語は美しい。あまりに美しいので、何度も語り直されてきた。だが史料を読み進めると、炎は複数回に分かれ、図書館は燃え残り、そして「静かに忘れられて」いく。

2 min readPaid

「世界の知恵が一棟に集められ、一夜にして灰になった」。アレクサンドリア図書館の物語は、失われた知識への惜別として完璧な形をしている。ゆえに語り継がれてきた。だが私たちが「燃えた」と思い込んでいるその像は、紀元前の一回の大火事を写したものではない。

炎は、複数回だった

まず紀元前48年。ローマの内戦でユリウス・カエサルがアレクサンドリアの港に火を放ち、火災が港の倉庫へ波及した——ここで蔵書の一部が失われたとされるのが最初の打撃だ。ただし当時の記録が語るのは「倉庫の書物」であり、図書館本体が全焼したとは書いていない。

その後も百年単位で「減った」記録は続く。3世紀には内乱で王宮地区が損壊し、4世紀末にはローマ帝国のキリスト教化の波で異教の施設が荒らされる。そして642年、イスラーム勢力の征服時に「書物が燃料として使われた」という逸話が、後代の史料に登場する——この話自体、成立から数百年後の記述で、史実性には強い疑問が呈されている。

この先は、Paid Contentです。

Core Investigationの全文と、探求を深める関連記事が読めます。
毎月自動更新・いつでも解約できます。

¥980 / 月(税込)

決済はStripeが安全に処理します。カード情報はFORCES UNSEENに保存されません。